2012/04/13

ジャクソン・ポロック展(愛知県美術館 & 東京国立近代美術館) /展示会場によってチラシのデザインがものすごく違うんだけど、2つのデザインの好いところを合わせたチラシをイメージしてみた(文=佐藤匡将)

《愛知県美術館の広告》

(no.1)目に入る文字は『アートを変えた男』。赤の背景に黄色の文字でインパクトはある(展示会場が2つ入っているため共通のチラシのようだが、愛知県美術館が制作したに違いない)。(no.2)では、『ピカソを超えた男』。と変更され、『ポロック展』の文字をポーリングの手法で描いているようにポロック自身が配置されている(それにしては、そのようなグラフィックデザインがされていない)。目に入る情報が少ないため、みやすいのかもしれないが、面白そうな展示だとはこれをみても思わない。けれど、『ピカソを超えた男』というフレーズがものすごく強いため、これはこれでいいのかもと思えてしまう。ポロックが額にしわを寄せる神経質そうな写真はかなりいい。(no.3)はポロック展でなくともどんなチラシにも使える無難なデザイン。


(no.1)

(no.2)

(no.3)

(no.3:裏面)

(開いた状態)サイズA3



《東京国立近代美術館の広告》

目に入る文字は『ポロックは誰だ?』。その言葉を中心にポロックについての情報が楽しく配置されている。文字は作品についてではなく、ポロックを言い表すものが多く、面白そうな人だとポロックに関心が湧く。ドリッピングやポーリングの手法が与えるはちゃめちゃな印象が、文字の配置を通して伝わってきた。『↑ 200億円!!門外不出、伝説の大作』という文字につられてチラシを開くと、作品が大きく登場!!勢いのあるデザインから煽るような文字の配置によって展示に興味がそそられるし、ポロックの作品にピッタリくるデザインだと思う。情報量が多いため、みにくいかも。

(no.1:表

(no.1:裏)

(no.1:二つ折りを開いた状態)



(no.1:開いた状態の裏側)

 


(no.2:別バーション)




《おまけ》

2つの展示会場を一緒に広告。



芸術新潮は愛知県美術館が終わってから、東京国立美術館の開催にあわせて特集が組まれていた。どうせなら愛知県美術館の開催にあわせて欲しかった。WEBマガジンでも同じような感じで東京での展示にあわせて記事が書かれているものが目立った。



《まとめ》

『↑ 200億円!!』というところを『↑ ピカソを超えた男』とし、開くとポロックの作品ではなく、「アクション・ペインティング」をしているポロック自身の写真が出てくる。
『ポロックは誰だ?』の言葉を中心にポロックについての情報を楽しく配置し、文字の背景を赤くして目立たせたいフレーズ(開催場所など)を黄色にする。作品よりもポロックの物語が楽しめる内容であった点でもこちらの写真のほうがよい!



・『ピカソを超えた男』というフレーズ(愛知県美術館)
・ポロック自身の写真(愛知県美術館)
・赤を背景にした黄色の文字(愛知県美術館)

・見開きの面白い使い方(東京国立近代美術館)
・文字のレイアウトデザイン(東京国立近代美術館)
・文字の説明はポロックについてがメイン(東京国立近代美術館)